

11月中ごろのよく晴れた日曜日、第1回目となる「ほんむらさんさんマルシェ」を開催しました。
初めての試みということもあり、「無理をせず、小さくても継続できる形でやっていこう」と運営メンバーで話し合い、控えめな準備で迎えた当日。
しかし、予想をはるかに超える反響がありました。
10:00 OPEN の予定でしたが、開始30分前にはすでに広場にたくさんの人が集まってくださり、
11:00頃にはキッチンカーをはじめとする飲食ブースのメニューがすべて売り切れてしまうほど。
地域のみなさんの“期待の大きさ”を感じるスタートとなりました。




■ 失われた市場の記憶を、もう一度この場所に
主催の冨田さんは、この広場と隣接する古民家の所有者でもあります。
「ここを地域の人が集まる場所としてもう一度活かしたい」
その思いの背景には、この土地の歴史があります。
かつてこの場所は 「彦島食品市場」 と呼ばれていました。
- 最初は漁師さんたちが利用する建物として使われ
- のちに新聞配達所を経て
- 昭和30年代には肉屋さん、魚屋さん、八百屋さん、小さな洋品店などが並び
- 人の声と笑顔が行き交う、にぎやかな市場として親しまれてきました。
今は建物もなく空き地だけが残っていますが、
「かつてのように、人が行き交い、笑い声が聞こえる場所にしたい」
そんな願いから、この小さなマルシェは生まれました。
■ マルシェに込めた3つのコンセプト
今回の活動には、次のような目的があります。
- 空き地で催しを行い、まちに賑わいを生み出すこと。
- 小さな個人や団体が、“やりたいことに挑戦する” 場をつくること。
- 空き地や空き家、そしてこのまちの未来について、地域の声を聞く機会とすること。
ほんむらひろばと古民家を、これからどう活かしていくのが良いのか。
その“ヒント”を集めるために、マルシェという形で人に集まっていただくことにしました。
■ たくさんの声が集まったヒアリングボード
会場に設置したヒアリングボードには、本当に多くの意見をいただきました。
特に印象的だったのは、子どもたちが積極的に書き込んでくれたことです。
これからの時代をつくる世代が、
この場所にどんな未来を感じているのか——
その一つひとつの声がとても嬉しく、胸に響きました。
いただいた意見はすべて大切に、今後の計画に生かしていきたいと思います。


■ 古民家の公開と、これからの活用
当日は隣接する古民家も開放し、数組の方に内部を見学していただきました。
この古民家は、可能な部分をみんなで手を動かして進める セルフリノベーション を考えています。
興味のある方は、ぜひ一緒に関わっていただけると嬉しいです。
準備が整い次第、イケベ住宅建築のブログやInstagramでもご案内します。
■ 次回の開催は2026年春ごろを予定
まだまだたくさんの声を集めたいこと、
そしてこの活動を続けること自体がまちの価値につながると感じています。
次回のマルシェは 2026年春ごろ を予定しています。
ほんむらひろばと小さな古民家で、これからどんなストーリーが描かれていくのか。
私たち自身も楽しみながら、少しずつ形にしていくつもりです。
■ <前日の準備風景>
前日は運営メンバーで集まり、パネル展示の配置やパレットのレイアウトを「こうかな?」「いや、こっち?」と相談しながら進めました。
明日のマルシェに人が来てくれるだろうか——
そんな不安も少しありましたが、
笑い声の絶えない心地よい時間が、ゆっくりと流れていきました。
こうした準備も含めて、すべてがこのマルシェの大切な思い出です。

左から藤上さん、冨田さん夫妻、池辺



